ブラッドパス 組織について

吸血鬼への対処や討伐を専門とする組織は【対鬼組織】と呼ばれています。
『ブラッドパス』の代表的な【対鬼組織】を3つ紹介します。

目次

SID(エスアイディー)

正式名称:警察庁警備局特殊犯罪捜査課
(Special crime Investigation Department)
本部:東京都千代田区霞が関・総合庁舎地下20階
課長:日比屋 響子

闇の捜査官たち

警察庁警備局特殊犯罪捜査課――通称SIDは、日本の警察組織内に設けられた対鬼組織です。V案件と呼ばれる、吸血鬼や業血鬼が関係する事件への捜査と犯人対処が主な任務となります。SIDは公的な組織であり、存在自体は公表されています。ただし、彼らの任務内容は極秘であり、警察庁の官僚をはじめとする警察組織の上層部以外は、彼らが何をしている部署なのか知らされていません。そのため、一般の警察官や刑事からは「猟奇的な事件にだけ現われて、捜査の情報を持っていく不気味な連中」と思われています。

SIDの活動

SIDには、全国の警察組織から事件に関する報告が集まって来ます。その中から分析官が、吸血鬼が関与していると思しき事件をピックアップし、課長が捜査を決定すると現地へ課員を派遣。現地の警察から捜査を引き継ぎます。
SIDでは、捜査の中枢を担う血盟を〝ユニット〟とも呼びます。また、吸血鬼と血契を結んでいない一般課員も大勢おり、情報収集や装備調達、情報遮断、解決後に偽装情報を公表し、吸血鬼の存在を隠蔽するなどバックアップを担当しています。

SIDの人間

SIDに在籍する課員の多くは、警察内部や自衛隊からスカウトされてきた人間です。また、探偵やプログラマーをスカウトしたり、吸血鬼事件の被害者や遺族の志願者を採用する場合もあります(適性試験と訓練をパスする必要があります)。

課員の中でも、吸血鬼と血契を結んだ人間は〝監督官〟と呼ばれる特殊な役職となります。彼らは平常時は警察庁舎地下にあるSID本部でデスクワークや自主訓練を行なっています。そして出動命令が下ると吸血鬼を伴って現場へ急行し、捜査活動および業血鬼の抹消(デリート)を行ないます。

契約上こそ休日がありますが、監督官の数は事件数に対して十分とは言えず、大きな事件であれば呼びだされ休日返上で捜査に入ることも珍しくはありません。その分、給与はかなり高額となりますが、危険と忙しさに見合っているかどうかは、当人の考え方次第でしょう。なお、課員にはスーツの着用が推奨されていますが、着崩したり、私服で勤務したりする者もいます。

SIDの吸血鬼

SIDでは、捕獲したり保護した吸血鬼に対し、ふたつの選択肢を提示します。それは「全国各所にある特殊保護施設で一生を過ごす」か、「業血鬼と戦う〝特別協力者〟となる」というものです。後者を選択し、かつ血契を交わす相手が見つかった吸血鬼は、SIDの一員として業血鬼と戦うことになります。

特別協力者となった吸血鬼には、制限付きですが自由が与えられます。平時はSIDの所時する〝保護寮〟での生活が義務づけられますが、外出許可さえ出れば外へ出ることも可能です。また、支払われた給与で嗜好品を買ったり、趣味に費やすことも認められています(指定した相手に振り込むことも可能です)。ただし、あくまでも事件への即応が最重要視されているため、招集時は速やかに指定された場所へ向かわなければなりません。そのため、若年者といえども学校に通うことは認められておらず、希望者は寮内の学習塾で学習することになります。


日比屋 響子(ひびや きょうこ)

哀しみも怒りも胸にしまって、為すべきことを為しなさい

illust:江戸樹

性別:女性  年齢:35
一人称:私  二人称:あなた
好きなもの:勉強、訓練、実家の猫
嫌いなもの:嘘、怠惰、汚職
得意なこと:書類仕事、家事全般、上層部の説得
苦手なこと:何もせずに休むこと、大人数の飲み会
宝もの:死んだ親友にもらった時計

SIDを束ねる日比屋響子警視は冷静沈着な女性であり、どんな悪質な事件でも動じることなく、適切な人材を現場へと送り出す有能な指揮官です。
他の部署からは“冷血官(コールドフェイス)”と陰口を叩かれている彼女ですが、冷たい態度はあくまでも責任感の表われと生来の口下手のせいであり、本当は思いやりと優しさのある人物です。
SIDの課員たちもそのことはよく分かっており、彼女のことを信頼しています。

斬鬼衆(ざんきしゅう)

正式名称:赤桐財団特務部署 斬鬼衆
本拠地:東京都港区赤坂 赤桐家第七邸宅
総隊長:城戸 一心

鬼を斬る者たち

斬鬼衆は、世界有数の大富豪である赤桐家が所有する非公的な対鬼組織です。その起源は古く、平安時代には〝牙狩衆〟と呼ばれる集団として活動していた記録が残されています。牙狩衆は貴族である赤桐家の家来となり、以降は歴史の闇で吸血鬼との戦いを連綿と繰り広げてきました。そして明治時代の中期には斬鬼衆と名を変え、現在へと至ります。

斬鬼衆は、いわば赤桐家の私兵であって公的な組織ではありません。しかし積み上げてきた膨大な実績と対吸血鬼戦闘の技術は確かであり、日本国家からは特例として活動を黙認されています。彼らは赤桐家の資産を用いた独自のネットワークを有しており、吸血鬼や業血鬼による事件が発生すると現場へ急行します。そして新聞記者や探偵などを装って調査を行ない、標的を突き止めると交戦して斬滅(ざんめつ)するのです。

斬鬼衆の組織構造

斬鬼衆は十一のに分かれています。一番隊は拠点防衛や要人警護を得意とする防衛部隊、二番隊は情報収集や諜報活動に特化した隠密部隊、七番隊は医療部隊、九番隊は狙撃部隊など、それぞれ専門分野や得意とする任務が異なります。各部隊には隊を束ねる隊長が1名と、隊長を補佐する副隊長が1名おり、その下に普通隊士が統率されています。また、総隊長が組織全体を束ね、活動の方向性を決定しています。

斬鬼衆の人間

斬鬼衆には 〝鬼狩り〟を生業としてきた剣士や猟師の末裔、鬼の研究を重ねてきた陰陽道や修験道の継承者など、古くからの役目を継承した者がいます。また、赤桐グループの経営する孤児院や養護施設に保護された吸血鬼事件の被害者遺族から、見込みのある子供をスカウトして養育することもあります。斬鬼衆が1000年以上にわたって磨いてきた対吸血鬼用の戦技は独特であり、普通の武術や剣術ではあり得ない姿勢や構えからでも必殺の一撃を繰り出すことが可能です。そして一人前の隊士であっても、出動中以外は鍛錬に励んだり、吸血鬼に関する勉強を行なうなど、現在も技を磨き続けています。そして有事の際は制服である白い羽織を着用して現地へと急行。鬼との戦いにあたります。

斬鬼衆の隊士の中でも、吸血鬼と血契を結んだ人間は特別に〝特務隊士〟と呼ばれます。特務隊士は対業血鬼の切り札ですが、同じ隊士からは変わり者扱いされたり、軽蔑の眼差しを向けられたりすることもあります。また、斬鬼衆では血盟のことを〝組〟とも呼び、対業血鬼戦闘の切り札として扱っています。

斬鬼衆の吸血鬼

基本的に斬鬼衆において吸血鬼は斬滅の対象です。しかし、協力の意思を示した者や利用価値の高い強力な吸血鬼、隊士からの助命嘆願があった場合は捕縛し、志願者と血盟にします。

血契を結んだ吸血鬼は と呼ばれる特務隊士の備品扱いとなり、管理を一任されます。そのため生活環境や自由の程度はパートナーの性格によって異なり、出撃以外は座敷牢に幽閉されている者もいれば、平時は隊士の雑務を手伝う者、赤桐グループが経営する私立学校へ通い人間に近い生活を送れる者などさまざまです。しかし、どの場合でも赤桐グループが管理する敷地以外への外出は(出撃を除き)特務隊士の同伴なしでは認められません。


城戸 一心(きど いっしん)

鬼を斬るためなら、なんでも使う。当たり前のことだ

illust:江戸樹

 性別:男性  年齢:38
 一人称:私  二人称:お前
 好きなもの:稽古、座禅、飼い犬(柴犬二頭)
 嫌いなもの:吸血鬼、甘い菓子、お世辞
 得意なこと:剣術(城戸神念流)、掃除、犬の躾け
 苦手なこと:笑顔、冗談
 宝もの:兄の形見の鍔

斬鬼衆の総隊長である城戸一心は“武人”と呼ぶに相応しい精神性の持ち主です。数多くの“戦”を潜り抜けてきた彼は合理的な思考の持ち主であり、5年前の“灰滅事件”以降は特務隊士の増員を推し進めてきました。
もっとも、彼にとって“式(吸血鬼)”は道具であり、保護や救済などは論外です。そのため、“式”とのコミュニケーションや生活環境の改善は“手入れ”として理解を示しつつも、過剰な思い入れは厳禁と説いています。

異端改宗室(いたんかいしゅうしつ)

正式名称:聖皇庁外務局異端改宗室
本部:ヴァチカン市国 外務局庁舎
室長:ミハエル・ブラック
東京支部:東京都文京区 聖ミリアム教会
東京支部長:シスター・ウェンディ

血塗れの断罪者たち

世界有数の宗教、聖字教。その総本山である聖皇庁に、異端改宗室という部署が存在します。表向きは世界中に宣教師を派遣して布教活動を行なう部署ですが、その実態は吸血鬼殺しを専門とする特務機関です。

もともと、異端改宗室は異教の信奉者をはじめ、悪魔や魔女など聖皇庁が「神と教会の敵」と認定した相手を武力排除する部署でした。しかし時代の移り変わりと共に役割は変わり現在では完全に対吸血鬼・業血鬼専門の組織へと再編成されました。

現在の異端改宗室は、世界最大規模の対鬼組織として、欧州はもちろんアジアでも活動を行なっています。彼らの活動拠点は聖字教の教会や集会所、聖字教系学校など多岐に渡り、教徒から寄せられる情報や市井に潜伏している調査員の報告をもとに吸血鬼事件の発生を突き止めます。そして武装改宗官を派遣し、吸血鬼や業血鬼を〝救済〟するのです。

改宗室の人間

改宗室に所属する人間の多くは聖字教の信徒であり、心身の強さを見込まれて聖皇庁にスカウトされた精鋭です。その中でも特殊な戦闘訓練によって吸血鬼とも渡り合える力を身に着けた人間は〝武装改宗官〟と呼ばれ、対吸血鬼戦の最前線へと送り込まれます。

その戦闘技術は剣技から近接格闘、銃撃、狙撃など多岐に渡り、それぞれが得意とする戦闘法で戦いに臨みます。また、武装改宗官の中には10代の少年少女も存在します。彼らは聖皇庁の所有する施設で幼い頃から戦闘訓練を叩き込まれた生粋の戦闘員ですが、その反面で世俗には疎くやや常識に欠ける一面あります。また、改宗室の人間がすべて敬虔な信徒というわけではありません。頑なに禁欲生活を送る者もいれば、礼拝や奉仕活動をサボる者もいます。

武装改宗官の多くは、普段は教会やミッションスクールなどで日常生活を送り、有事の際は現場へ出動して調査と戦闘を行ないます。なお、調査活動は状況に応じて服装を変えますが、戦闘活動では修道服の着用が義務付けられています。

改宗室の吸血鬼

改宗室に所属する吸血鬼は、ほとんどが投降もしくは捕獲された経緯を持ちます。改宗室では、捕らえた吸血鬼に「罪を償いながら正しき道を歩むか、救いを拒み浄化されるか」を問います。そして贖罪の道を選んだ吸血鬼は〝贖罪者〟として教会に受け入れ、敷地内で保護するのです。そして希望者は人間と血契を結び、業血鬼との戦いに臨むことになります。改宗室では、血盟を〝兄弟〟あるいは〝姉妹〟とも呼びます。

もっとも、〝贖罪〟の制度は、地域によっては吸血鬼を戦力として利用するための名目と化しています。強力な吸血鬼を、書類上は「神に恭順を誓った」ということにして血契を交わし、改宗室の戦力として扱うのです。そのため、血契を交わした吸血鬼が〝本気〟で聖字教の教えを受け入れているとは限りません。

本人の心はどうであれ、贖罪者となった吸血鬼は礼拝所やミッションスクールなど聖字教会が所有する敷地内で行動が許されます。普段は清掃や食事の準備、冠婚葬祭の手伝いといった奉仕活動に従事し、事件が起きた際は人間と共に現地へ赴きます。


シスター・ウェンディ

主はいつも君たちを見守っているわ。立派に務めを果たしなさい

illust:江戸樹

性別:女性  年齢:31
一人称:私   二人称:君
好きなもの:祈りの時間、教会
嫌いなもの:主の意に沿わぬ存在、特にリリエラ・アルテリア
得意なこと:戦闘全般、心理戦、拷問
苦手なこと:贅沢、料理、歌唱
宝もの:ない(この世のすべては主のものなので)

ウェンディは東京における異端改宗室の動き統括する支部長です。穏やかな物腰と言葉遣いで教会関係者や信徒から大きな人気を集めている彼女ですが、5年前までは冷酷な武装改宗官でした。
5年前の灰滅事件で両目を負傷したことを契機に前線を退き、管理職に就きました。いまでは「すっかり丸くなった」と評されていますが、それはあくまでも表面にすぎず、穏やかな笑顔の裏には冷徹な計算と狂信に近い信仰心が隠れています。

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